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響きという量の定式化について

初めに測定時の注意について触れておきます。
いずれまとめて論文にしなければなりませんので、出来うる限り、厳密な測定ができるよう工夫したいと考えております。



マイク位置やマイクの角度によってどれくらい測定誤差があるのか調べてみました。
位置A
1

圧電スピーカーの位置を固定し、マイクの位置をずらして同一の測定結果を比較してみます。
位置B
2

マイク位置をかなりずらしていますが、同一測定でほぼ同じグラフの形状になっています。
これを同一とみなしてもいい理由は、別の任意の位置に圧電スピーカーを置いて
測定すると、全く異なるグラフを示していることから分かります。
スピーカ位置替え
3

以上のように、マイク位置をずらすと、若干の測定誤差が生まれてしまいますので
基本的には、設置した圧電スピーカーの真上、直角下向きにマイクをセットして
測定することにします。

それでは、本題に入ります。

私がタッピングトーン(叩いた音)を聴いて、それを各点同じにするように形を削っていくという説明を試みるとき、必ずと言っていいほど「厳密さに欠ける」という印象を相手に与えざる負えませんでした。

タッピングトーンは、なにか、鈍器で共鳴版を叩いた時に出る音ですが、これを再現性のある計測で置き換えたものが圧電スピーカーを聴診器替わりにした測定法なのです。
今まで、耳で聞いて判断していたタッピングトーンが視覚的なデジタルデータに翻訳されます。

圧電スピーカーを共鳴版の任意の位置に当ててその音色を比較しますと、明らかに
音色、響き方が異なります。
私は、タッピングトーンを調べることによって、響きの違いをマーキングし、なるたけ大きな等音面(等響面と言ったほうが正しい。)を作るように研究を進めてきました。
タッピングトーンが「響き方」を図る量であることがわかります。

それでは、このタッピングトーンとは、結局なんでしょうか?
それは、共鳴版の一点を叩いた時に含まれる複数の単音の振動数の分布状態のことをさします。
複数の単音の振動数の配合の仕方をタッピングトーン、すなわち「響き方」の量として「感じて」いたのです。
圧電スピーカーによる測定が、タッピングトーンによる感覚測定を精密にしたものであることから、データのグラフがどのようなものであれ本質的には共鳴版の各点における振動数分布を表したものであることは確かです。
したがって、数学的には次のように書くことができます。

共鳴板のある点をXとする

その点における振動数分布(響きの量、タッピングトーン)は異なる振動数比の(無限)線形一次独立の形で表されます。
ここでは、便宜上、無限個の振動数比を用意しておきます。
すると次のようにかけます。


      f(x)=ΣAnEXP(inθ)    Σ;無限和

X:板の一点   f(x):Xにおけるタッピングトーン

結局は、各振動数の振幅の集合が、響きという量を表すことになります。
以下は図との対応関係です。


注:形式的にべき級数(無限級数)にしておきます。
実際には有限ですが、その時は振幅0として考えることにします。
また、常識的に振動数→∞の時、振幅→0とします。
したがって、こうして定義されたべき級数は収束することになります。

スピーカ位置替えggg



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無限小変換

スピーカ位置替えggg

共鳴版の各点が振動数分布と対応し、それが、「響き」という量であることを前回定義しました。
共鳴版の任意の点におけるこの振動数分布は基本的には異なった分布を示します。
(それは等音面ではない!)
次に示したいことは、ある一点の振動数分布の状態を、可能な限り周囲に拡大していきたいということです。(それは、ある領域に関して等音面になっているということです。そろそろこういった言葉もしっかりとした定義を与えなくてはなりません。)
そのためにまず、共鳴版のある一点から、連続的に少しじつずらし、その時の対応する各点の振動数分布を調べてみたいと思います。

13_20130205144824.jpg

ただの板切れで実験したいと思います。
板にはフォノグラムで渦(黒点)と孤立特異点(白点)が書き込まれています。
この二つの相反する点は、同一共鳴版内で、”最も開きのある響き方”を示す二点です。これについては、後ほど定義していきたいと思います。
とにかくここでは、最も、振動数分布が異なる2点であると思ってください。
まずはその二点のグラフをそれぞれ掲載します。


9(黒点)

1(白点)

次に、白点から黒点へ少しずつづらし、各点の圧電スピーカによる測定結果を比較します。
1
2
3
4
5
6
7
8
9

共鳴版の各点に連続的に少しずつずらした位置で圧電スピーカーによる計測を行いますと、振動数分布も連続的に移行していることがわかります。

白点の周りの無限小近傍についても同様に調べてみました。
1k
2
3k
4k
5k
6k
7k

これは、各点の無限小近傍において、振動数分布のグラフが連続的に変化していることを保障する結果です。
この実験事実から次のことが言えます。

      f(x)=ΣAnEXP(inθ)    Σ;無限和

X:板の任意の点   f(x):Xにおけるタッピングトーン
A:板の一点

lX-Al<ε  ならば

l f(x)ー f(A)l<δ



ここで f(x)については、具体的な代数関数のようなものでなくグラフの振動数分布の移行の様子を対応させています。これは、各振動数の振幅が連続的に移行しているかどうかということで遠い近いを表していると考えますので、ここでこの考えに基づいて位相を入れてみたいと思います。


 f(x)=ΣAnEXP(inθ)    Σ;無限和

Anが各振動数の振幅に当たる量になるので各振動数の振幅にたいして(無限個)

lX-Al<ε


lAn(X)ーAn(A)l<δ  nは0~無限(無限個全てにこの式が成り立つ)

が成り立つとき、

Aの近傍において、 f(x)はXの連続関数であるということが言えます。

ここまで来ると、解析関数論の関数要素の概念にそのまま乗ってきます。

無限回微分可能という視覚的ななめらかさと、物理的に定義された音の世界のなめらかさが奇しくも一致を見るかもしれないという驚きの事実を目の当たりにすることになるのでしょうか?
これは証明すべき面白い問題です。
この証明には、今回の実証事実が必要です!
また、解析関数論の特徴である、フラクタル性(部分が全体を含み、全体が部分を含む)も注目すべきです。
響きという量は、一点から全体の情報を吸い上げ、全体から一点の情報を決めていくという極めて面白い性質を持っていることとも符合します。
これに、協和、不協和関係における弛緩と緊張を組み込むとフォノグラム図形と同じものが取れることになります。
フォノグラムの最大の特徴はフラクタル性というスケール普遍性にあります。

22_20130205155252.jpg



注:数学にうるさい人はこの文章は厳密さに欠けると思われるかもしれませんが、
基本的なアイデアは間違っていないと思います。ブログはいわば私にとってのメモなので大目に見てください。

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CD音源を試薬がわりに使う

位置A

図のように、圧電スピーカを聴診器がわりに共鳴版の各点において響きの違いを検出し
そうした響きの違いをWEB SPECTRAを使って視覚的なデジタルデータに翻訳することを始めました。その時に、あるCD音源(何かの曲)を同一時間流すことにより、各周波数の振幅の積算値を比較することで響きの違いを捉えることをしてきました。

ここで CD音源(何かの曲)ではなく、単振動だったらどうか?
という疑問が浮かびます。
実際にやってみました。

415hz white
440hz A black
440HZ A white
700hz white

という感じで、あまり違いを検出することはできませんでした。
響きの違いを表すには情報量が不足しているというか、単振動ではこちらの目的に合いません。

固有振動モードを調べるクラドニ図形も、物珍しいという以外、はっきり言って
使い物になりません。
index.jpg

デジタルデータを取るまでもなく、耳で聞いて響きの違いが確認できなかったので
音楽的には意味のない測定ということになると思います。
これに対して、CD音源(何かの曲)を用いて、同じ測定をすると、はっきりと響きの違い、音色の違いが耳でわかります。
そしてはっきりとデジタルデータの違いとしてもわかります。

面白いことに、曲によって、響きの違いがわかりやすい曲とそうでないものがあります。
なぜか、カザルスのチェロ曲が響きの違いをよく表してくれます。
今もいろいろ試していますが、物理実験というよりも、CD音源(何かの曲)を
試薬がわりに利用し、反応を引き出す、まるで化学の実験をしているようです。
(こういう意味での物理測定は今までにされてこなかったのではないかと思います。)


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