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柔和な構造(2)

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聖ヴィトゥス大聖堂、メイン通路  ゴシック様式のアーチ

「客観的な、最も馴染み深い特徴は
内部的な高さと細さの誇張であり、
簡単に述べると、必要以上に細い柱、石造天井、
およびそれらを為し得る構造的特徴の組み合わせとなる。」(ゴシック様式の説明)

このような説明を見ますと
ゴシック様式は まさに 部分にかかるストレスを
全体にうまく分散させる構造になっていることが伺えます

アーチの美しい曲線は「フォノグラフィックな曲線」に近いものでしょう

必要以上に「細い柱」でもこのような
巨大な建築物を支えることができるのは
本当に驚きです

ストラディバリの楽器は 他の製作者に比べ
共鳴版の「厚さ」が薄いとされています
物理的限界のぎりぎりまで余計なものを
削り落としているようです


普通に考えれば このゴシック建築の柱のように
「もろい」ものと考えてしまいます

しかし ストラディバリのものは ただ単に薄いのではなく
均等に薄い」のです
厚みにムラがないわけです
(均等に薄い という意味は 全てが同じ薄さ という意味ではありません)

厚みにムラがあれば 「ぎっくり腰」で説明したように
部分にかかるストレスを
全体で分散させることが出来ない構造となるため
何百年も もつわけがありません
何よりも 鳴らない楽器のはずです

極限まで 華奢に作っても 長持ちする丈夫な「楽器」を造るには
ムラなく薄く削るという「技術」があってこそ可能なのです


ここでムラがないという意味は
共鳴版の全ての一点が全体と連絡しあい
その一点にかかったストレスを全体で受け止める構造を持つ

という意味です

そしてこの技術を可能にするのが
音を聞きながら掘り進めるという
フォノグラムを利用したヴァイオリン製作技術なのです
fig1.jpg

つづく


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Comment

はじめまして
楽器の製作をやってらっしゃるのですね。
きれいな共鳴音は聞いていて聞き惚れてしまいますね。
頭で理屈はわかっていても実際に引いてみると微妙な濁りを感じることがあり意外とこの濁りがこの楽器の持ち味のようにも思うことがあります。

  • 2011/09/30 01:24
  • 必殺遊び人
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Re: タイトルなし
コメントありがとうございます
楽器制作を通じて 濁りのない(無心)の状態を探しているのかもしれません
そこから派生したものは さまざまなキャラクター(持ち味 個性)を持つと思われます
まるで 万物が 一つの源から生み出されたように
 
その辺のことも踏まえて 研究中ですが まだまだな感じです。 よろしくお願いします
  • 2011/09/30 02:01
  • 磐座(イワクラ)のおにょ
  • URL
ガウディ建築は見た目では考えられないですが構造的にもしっかり作られているようです。
それを無視してデザイン性だけに囚われてしまえば、建築はデザインだと言ってしまうことと同じことになってしまいます。
今回のバイオリンの話にしても、両方を兼ね備えていない楽器の多くは自然に淘汰されてきたと思います。
音響にしても、今作っているもので試してみれば、また具体的にどのように考えていけばよいのか見えてくる気がします。
  • 2011/09/30 23:32
  • ohsho改めpono
  • URL
この記事を書いていて なんとなく ダイエットとフォノグラムのことについて 何か書けそうな気がしました。
綺麗にやせる の意味
  • 2011/09/30 23:56
  • 磐座(イワクラ)のおにょ
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