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⑨  続 ネックの右振りについて ~非対称性とカウンターバランス

前回はネックの内部緊張が弦張力によってどのような影響を受けるのか
調べました。
縦方向には、歪みを補正するように働きましたが、横方向には依然歪みを残したままでした。
これは、ネックを逆方向にねじることで、歪みを解消することができそうです。

早速調べてみましょう。
弦はG線とE線のみ張った状態で、ネックを左右にねじってみます。
*4弦すべてを張らなくても十分な結論が得られると思われますので、、。)

ねじり dr

ネックを右方向(向かって左)にねじります。
この時、何段階か音が変化する場所がありました。
一音づつ止めて、フォノグラムを調べてみます。

ちなみに、逆方向にねじっても音は変化してくれませんでした。
逆方向にひねっても、歪みがましてしまい、より強い内部緊張が生まれてしまうことになりそうです。
無理に捻じれば壊れてしまうでしょう。

それでは、まずは相対音でdがrに変わるところまでねじってみます。
以下がそのフォノグラムです。


d-r
nekku nejiri dr

この方向にねじっていけば、フォノグラムが徐々に真っ直ぐになっていくはずです。
もう一段階ひねってみます。

d-r-d
nekku nejiri drd

真っすぐになりました。

d-r-dと3度音を上げたことになりましょうか?

要するに、元を張った状態で、今かけている横方向のねじりの力を
初めからかかるように設計してやればいいわけです。
このカウンターバランスをはじめから考慮に入れて、ネックを右側に傾けておくわけです。

どのくらい傾けておけばいいのか、バスバーの時のシュパヌングと同じで
何本か作ってデータをとっていけばいずれはわかると思います。

フォノグラムが最終的に格子になるようにあらかじめ計算しておくわけです。
 

ネックのフォノグラムは真っすぐになりましたが
ねじることによる、共鳴版への影響はどうでしょうか?

これも調べてみましょう。

まずはd-rの変化を調べます。

heddonejiri ita dr

一音上げただけでは真っすぐになりません。
しかし、ねじる方向はこの方向しかありませんのでさらにもう一音分ねじってみます。

d-r-d
heddo nejiri ita drd

ネックのフォノグラムはここでまっすぐに修正されましたが、
共鳴版の方は修正されていません。
さらにひねってみます。

d-r-d-r
hed migineji ita drdr

まだ真っすぐになりません。
さらに音をあげます。

d-r-d-r-d
migineji ita drdrd

なんとか格子パターンになりました。

相当分 ひねる必要があるということです。

4本の弦長力の違いからくる楽器の内部緊張についてしつこく調べてまいりました。
内部緊張からくる歪みをゼロにしてやれば、楽器はなるはずだという仮説のもとに
そのカウンターバランスを考えてきました。
内部緊張の歪みは音図、フォノグラムに現れ、それを対称にしていくように楽器を制作していけば
自ずと見た目のプロポーションは非対称にならざるを得ないというのが結論です。

ネックに関しては相当分、右にねじったデザインにする必要がありそうです。

次回は、横板の厚みのばらつきと補正項について考えてみます。





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