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⑤ バスバー考究  ~非対称性とカウンターバランス~

 微調整 バスバー

前回の方法でバスバーを実際に取り付けていきます。
バスバーの両端をクランプで固定し、最終的に取り付ける位置の微調整をします。
この時もフォノグラムを利用します。完全な格子パターンになるように何度も粘り強く調整していきます。
調整は指で弾く程度の微妙な力でやります。
(楽器の駒や魂柱調整と同様のやり方です。いずれそのことにも触れます。)


修正後

圧着し、整形していきます。


basu.jpg

b_20120721230453.jpg

バスバーの曲面の隆起も共鳴版と同様、音を聞いていれば勝手に「等音線」として現れます。
実際に、音の共鳴が強くなっていくのが誰の耳にもはっきりとわかると思います。
(これは物理測定ができるはずです。)



少し脱線ですが、バスバーの長さや幅の決定について触れておきます。

楽器の構造を「音(ナミ)」の構造物と見なしたとき、
振動の「節」に当たるところが全て構造体のジョイント部分になるようにしてあげれば良いはずです。
そうすれば、共鳴を最大にすることができるはずです。
もしも、構造体のジョイント部分が振動の「はら」になってしまえば共鳴は殺されてしまいます。

閉じたフォノグラムは振動の節にあたる部分です。
そう言う意味ではクラドニ図形と一致します。

ですから、フォノグラムのラインに沿って、全てをデザインしてあげればいいのです。
またそのように整形して行くと、共鳴はどんどん大きくなっていくことが確認できます。
これは音を聞きながら彫りすすめるというやり方以外には不可能なことのように思えます。

振動の節がどこにあるのか、どんな情報が頼りになるでしょうか?




それではバスバーの長さと幅をその方法で決定してみたいと思います。

バスバーの形

フォノグラム格子パターンはいわば、ある音列に対する固有モードを表しています。
あらゆる音列が格子パターンになるように削っていくのですが、
この操作は概念上無限に進みます。
しかし、物理的には、ある有限の厚みのところに収束するようです。

一つのフォノグラムラインは同時に、沢山の音列を含んでます。
それが、構造体の節になればいいわけです。
だいたい標準寸法になるような、フォノグラムのラインを無数の候補から選び出します。

(以前、7弦や5弦のビオラダモーレを作った時も、この方法でバスバーの位置、コン柱の位置、駒の足の位置
 などを決定しました。どんな楽器であれ、フォノグラムを利用すれば同じことです。)

すると、だいたい、バスバーの幅が、アッパーバウツの先で4,2mm、真ん中あたりで5.0mm
ロウワーバウツの先のほうで6.0mmぐらいになりました。

よく「バスバーの寸法は決められているから」という人がいますが、
音で合わせていくと自然と同じ幅にはなりません。
共鳴版のデザインが微妙に変化しているわけ(アッパーバウツの方が小さい)

ですから、こちらのほうがより自然です。
このことは、横板の高さにも言えることです。(アッパーバウツの方が低い;全体の平均が30mm)

標準寸法というのは、あくまで「平均値」に過ぎないだけで、決められた寸法などというものは
どの部分にしろあるわけがないのです。
同一条件の木材がないのですから、、。

basugo.jpg

次にバスバーを取り付けたことによって、共鳴版のフォノグラムがどのように変化したのか
調べてみます。
上の図のようになりました。
これは、シュパヌングをかけることによって、中央部分が周辺部分よりも緊張が強いため、
緊張度にムラが出来ることによって、渦巻きが現れた状態です。
中央部分に合わせるには、渦を消してやればいいわけです。
サンドペーパーで2,3回さすってやれば簡単に音が変化してくれます。

(調整のしやすさというのは、このような反応性の良さにあります。
 反応性を良くするには薄くせざる負えませんが、周囲との力のバランスをうまく取らないと
 歪んでしまいます。また、逆に、周囲の力に影響されないように頑丈に作ってやりますと、
 今度は反応性が悪くなってしまいます。)

修正後は以下になります。

basugosyuusei.jpg

いつでも組み上げる時の影響を考慮しながら、修正の余地を残しながら作っていくのがポイントです。
また、そのようなことが可能なように各パーツを用意してやらなければいけません。

次回は、このバスバーを取り付けた状態の表板を、押したりひねったりして、
取り付け前と何が違うのかを調べてみます。




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