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音楽と、粘菌と、フォノグラムと (5)

フォノグラム空間の位相について

位相というのは空間のつながり方を難しい言葉で表現したものです。
つながり方が解ると、そこに距離の概念を付け加えることができます。

われわれのなじみのある空間概念は3次元ユークリッド空間でしょう。
空間のつながり方はわれわれの直感どうりです。
たとえば、腕を右に伸ばすと、左から指先が見えるようだと、これはわれわれの知る空間のつながり方とは違うわけです。しかし、概念上はそういった空間のつながり方も考えることができます。

フォノグラム空間のつながり方はどんなでしょう?

フォノグラム空間は、板状の各点の近傍で定義された音列集合要素のハリ合わせで構成されていました。

ある一点から、フォノグラムラインを渦を巻くことなく引くことができるのは、この各点の近傍における音列集合要素が同じである場合に限り可能なことを見てきました。

タッピング4

したがって音列集合が異なる領域はフォノグラムラインはつながることができません。
共鳴が起こらない場所はつながらないということです。
以下、共鳴が起こらない場所(渦になってしまう不協和音列集合のある場所)をさけて、フォノグラムラインを延長していく様子を示します。

解析接続1

これがフォノグラム空間における位相(空間のつながり方)の意味する所です。

複素関数論をご存知の方は、関数要素の解析接続を思い起こされた方もいるでしょう。
実際、形式的にはそのままの形で適応できます。

また、音列集合要素の接続のしかたは、実際にリーマン面のようなつながり方をします。
リーマン面2

少し解りにくいかもしれませんが、板状の各点の近傍における音列集合要素を接続していくと
このように、二周して始めて連結して閉じるフォノグラムラインもあります。
実際のフォノグラム(音図)はこれらを平面に射影したものになっています。


音の性質上、重ねあわせができるので、このように多重の層が連結した構造になっているわけです。
以下は実際のフォノグラムです

fig22_20120209210938.jpg

リーマン面とは1次元複素多様体の事を指しますが、構造的にも形式的にもフォノグラムとマッチします。もちろん全ての点で整合するわけではありませんが、一つだけ都合のよいことがあります。

それは、フォノグラム特有のフラクタル構造を1次元複素多様体から引き出すことができます。
フォノグラム空間の位相(空間のつながり方)は直線のように延長して引っ張ることができますが
離散的に共鳴することもできます。板を鳴らすということは、同時にたくさんの場所がなってしまうからです。このことと、音階というラベリングによる分別が、フォノグラムにフラクタル図形を書かせている理由になっていると思われます。


部分が全体を含み、全体が部分を含んでいる

この情報伝達のおかげで、フォノグラムによる技法が成り立つわけです。

音を聞いてその音をそろえるだけで、楽器ができてしまうことや
体の一部のフォノグラムを整えるだけで、全身の治療になってしまうことなど
すべてはこのフラクタルな情報伝達作用による所が大きいのです。

これは自然がそうなっているからそうなのだとしか言いようがありません。

「音楽と、粘菌と、フォノグラムと」という変な表題ですが、まだ粘菌のことに触れていません。
この粘菌の動きが、フォノグラムの挙動そっくりであるし、フラクタルな情報伝達にそっくりだと思えてしまいます。
ちなみに南方熊楠は、粘菌の動きに神を見ていました。
以下、熊楠曼荼羅です。
img2d8988fbzik5zj.jpeg

フォノグラムの曼荼羅

fig24_20120120213240.jpg

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