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標準寸法は削り足りない状態?

たいていの楽器製作者は、有名な作家の型を真似ます。
そうでないと売れないという事情もあるようです。
私は初めから、楽器制作よりもむしろ「音が造る形」の多様さのほうに
興味が惹かれてしまいました。

(フォノグラムの造るデザインなども、今年はテーマにしたいと思います。
もっと自由になって、フォノグラムのオブジェみたいなものも造ろうかと思っています。
この話は置いといて、、、。)

しかし、今回はヴァイオリンを彫ります。ガルネリモデルを採用しました。
たいてい、以下のような型紙が存在します。
g0.jpg

これを木材に綺麗に転写します。

g4.jpg

木材それぞれの、「音の」初期状態が違いますから、正確に転写してもあまり意味はないですが
標準寸法というからには、そのフォノグラムをとっても
ある近傍(フォノグラムの意味で近い所にあるという意味)に収まるようです。

g6.jpg
(ノコギリで近くまで切る)

g7.jpg
(赤線が標準寸法とされる位置)

まだヤスリを使うのは早い段階ですが、この辺から 刃物の削る音に注意しながら削っていきます。
音さえ聞いていれば、絶対に赤線かかることはありません。

g8.jpg
(刃物で凹凸を落とした状態)

ここから、音を聞きながらの世界に入っていきます。
1.0mm以下で起こる話が、フォノグラムの話です。
1.0mm以下の世界を、顕微鏡で拡大したような世界がフォノグラムで捉えられると考えてください。
フォノグラムは、いわば「音で見る顕微鏡」です

g2.jpg

フォノグラムでフォルマントの[a]の音列が出たところで止めてあります。
ちょうど標準寸法のラインにかぶる所です。

(フォルマントの話はまだしていませんので、ここでは適当に流してください。)

g1wakufa.jpg


ようは、標準寸法では、フォノグラムの目指している音列の初期の段階しか出ていないということです。
簡単に言ってしまうと、「熟してない音」という感じです。

標準寸法が「音が熟していない状態」にしてあるのはなぜか?

1 木材の経年変化を考慮して

2 ただ単にそこら辺で止めた

ここからは憶測です。よく楽器製作者が「未来を見据えた音造り」というようなことを言います。
これは、経年変化を考慮して、標準寸法より少し厚めに造るということです。
しかし、フォノグラムで考えると、標準寸法でも厚すぎるのです。

パイン修正材で彫った場合、木材自体の樹脂成分が多いため、
かなり薄くしないと目標の音に行きません。いつもやりすぎたかと思うのですが、それでも足りないぐらいです。

経年変化が完了してスポンジ状になった木材でフォノグラムを採っていけば、もっと厚い状態で、目標の音までいけるはずです。

300年前の人は、300年後そうなるように創っていたのでしょうか?
普通に考えて、無理だという気がします。

しかも、経年変化する前の木材で音を進めてしまうと、構造上痩せてしまいますから、相当削りムラがない状態の楽器でないと300年持ちません。
経年変化で音が進む前に壊れてしまいます。

名器が名器たる所以はこの辺に秘密があるのでしょう。

経年変化が完了した木材で、フォノグラムの音列を極限まで進めれば
名器と同じものを再現できるはずです。(たぶん)

標準寸法は「音が造る形」としてはまだ「熟していない」というお話でした。

g3.jpg


今は、極限まで音列を進めてみます。


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