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⑦ (強)共鳴性=柔軟性~非対称性とカウンターバランス

b_20120721230453.jpg

バスバーのカーブも等音線にしていくわけですが、この時、自然と共鳴が強くなることで
確かめることができます。

共鳴版が張り付いているおかげで、音の変化はとても聞き取りやすいです。
誰でもこの変化に気がつくと思います。

実は、裏板を横板に貼り付けて、箱状にした後、内部を整形していく過程において
このことが最もはっきりと認識できます。

裏横

箱状になっているため、共鳴音が聞き取りやすく、その変化がすぐにわかります。



共鳴が強くなること

共鳴版の各点の音のタッピングトーンがすべて同じ音響スペクトルになっていること

フォノグラムの「渦」がひとつにまとまること

音響スペクトルがホワイトノイズ型になっていること

は全て同値概念と考えています。

またその時、構造体としてはストレスを全体で受け止めることのできる統一体になります。
しなやかで柔軟性が有り、いわゆるバネのある状態になります。
この時、フォノグラムは格子パターンになっています。

hakofono.jpg




箱上にしても「ひねり」を加えられるほど柔軟な構造にできます。

ひねってみます。

ねじり1

こちらは左右対称な構造なので、どちらにひねっても同じフォノグラムパターンに歪みます。

fononejiri.jpg

バラバラのパーツのままですと
こんなに柔軟で大丈夫かなと思うのですが
組み立てることにより、構造上、頑丈になっていきます。


hakohako.jpg

箱の状態まできますと、結構強い力でひねっても
フォノグラムは変化しません。

これが弦張力がかかった時にどのように変化するのか?
また、それにたいしてどのようにカウンターバランスを考えていくのかが課題でした。

いよいよネックと本体の関係をフォノグラムを使って調べていきたいと思います。


ちょっとしつこいですが、考察の基礎になるものを洗いざらい出しておこうと思います。


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⑧ ネックの右振りについて ~非対称性とカウンターバランス

いよいよネックの問題に取り掛かりたいと思います。
4本の弦の張力が異なるため、楽器に不均等な圧力や応力がかかることによる
内部の歪みをどうしたらゼロにすることができるのかということを考えてきました。

これを言い換えれば
フォノグラムの図形パターンを対称にするにはどのような補正
カウンターバランスを与えればいいのかという問題になります。

弦長力の違いに対するカウンターバランスは必然的に、楽器が非対称な構造になってしまうことを
調べてきました。

とりわけ、ネックの右振りの問題はいろいろな説があるようです。
私は、この問題も、内部緊張の歪みに対するカウンターバランスの表れではないかと考えています。

それではさっそく調べていきましょう。

弦を片側だけ張ることでどのような内部緊張がネック内部に起きているか調べます。
また、ネックを左右方向にねじってみて、その違いをフォノグラムで調べてみます。

まず弦を全て外した状態のネックのフォノグラムです。

no tension neck
no tension nekk f

元を外した状態ではこのようなフォノグラムが取れました。
この楽器は既製品の楽器に手を加えたものなので、フォノグラムが真っ直ぐではありません。
実際は真っ直ぐに作りますが、内部緊張がどのように起きるのかを調べるのが目的ですから
これで十分です。

*少し左方向に流れがあります。
 実は、縦方向の歪みは、弦を張ることで解消されてしまいます。
 問題は横方向にかかるねじる力です。*

次にG線だけ張った状態のネックを調べます。

G neck
g nekku f

G線の弦が張られることにより、ネックの縦方向のフォのグラムの歪みが解消されてきたのがわかります。

次にE線だけ弦を張った状態のネックを調べます。

E ネック
GEnekku douji





G線よりもE線の方が弦張力が2倍弱あるせいで、ネックの縦方向の歪みの補正が
さらに進んだ状態になります。

ストレスは歪みのもとにもなりますが、方向によっては歪みを消してしまうように働きます。

つぎにG、E線 同時に貼った状態のネックを調べてみます。

GEネック
GEnekku douji

やはり 縦方向の歪みは補正されているようですが
完全には真っ直ぐになってくれません。
これを解消するためには横方向に捻じれば言い訳です。


次回、弦を張った状態でネックを左右方向に
ねじった時のフォノグラムを調べてみます。

ちょっと退屈かもしれませんが今後の資料作りの為もありますので
しばらくお付き合いください。


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⑨  続 ネックの右振りについて ~非対称性とカウンターバランス

前回はネックの内部緊張が弦張力によってどのような影響を受けるのか
調べました。
縦方向には、歪みを補正するように働きましたが、横方向には依然歪みを残したままでした。
これは、ネックを逆方向にねじることで、歪みを解消することができそうです。

早速調べてみましょう。
弦はG線とE線のみ張った状態で、ネックを左右にねじってみます。
*4弦すべてを張らなくても十分な結論が得られると思われますので、、。)

ねじり dr

ネックを右方向(向かって左)にねじります。
この時、何段階か音が変化する場所がありました。
一音づつ止めて、フォノグラムを調べてみます。

ちなみに、逆方向にねじっても音は変化してくれませんでした。
逆方向にひねっても、歪みがましてしまい、より強い内部緊張が生まれてしまうことになりそうです。
無理に捻じれば壊れてしまうでしょう。

それでは、まずは相対音でdがrに変わるところまでねじってみます。
以下がそのフォノグラムです。


d-r
nekku nejiri dr

この方向にねじっていけば、フォノグラムが徐々に真っ直ぐになっていくはずです。
もう一段階ひねってみます。

d-r-d
nekku nejiri drd

真っすぐになりました。

d-r-dと3度音を上げたことになりましょうか?

要するに、元を張った状態で、今かけている横方向のねじりの力を
初めからかかるように設計してやればいいわけです。
このカウンターバランスをはじめから考慮に入れて、ネックを右側に傾けておくわけです。

どのくらい傾けておけばいいのか、バスバーの時のシュパヌングと同じで
何本か作ってデータをとっていけばいずれはわかると思います。

フォノグラムが最終的に格子になるようにあらかじめ計算しておくわけです。
 

ネックのフォノグラムは真っすぐになりましたが
ねじることによる、共鳴版への影響はどうでしょうか?

これも調べてみましょう。

まずはd-rの変化を調べます。

heddonejiri ita dr

一音上げただけでは真っすぐになりません。
しかし、ねじる方向はこの方向しかありませんのでさらにもう一音分ねじってみます。

d-r-d
heddo nejiri ita drd

ネックのフォノグラムはここでまっすぐに修正されましたが、
共鳴版の方は修正されていません。
さらにひねってみます。

d-r-d-r
hed migineji ita drdr

まだ真っすぐになりません。
さらに音をあげます。

d-r-d-r-d
migineji ita drdrd

なんとか格子パターンになりました。

相当分 ひねる必要があるということです。

4本の弦長力の違いからくる楽器の内部緊張についてしつこく調べてまいりました。
内部緊張からくる歪みをゼロにしてやれば、楽器はなるはずだという仮説のもとに
そのカウンターバランスを考えてきました。
内部緊張の歪みは音図、フォノグラムに現れ、それを対称にしていくように楽器を制作していけば
自ずと見た目のプロポーションは非対称にならざるを得ないというのが結論です。

ネックに関しては相当分、右にねじったデザインにする必要がありそうです。

次回は、横板の厚みのばらつきと補正項について考えてみます。





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