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⑬ 今と昔 何が一番違うのか? ~非対称性とカウンターバランス

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ストラディバリなどがいた時代と現代では、楽器において何が一番違うでしょうか?
私は、弦の張力だと思います。

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昔は、ガット弦(羊の腸)が使われていたので、一本一本の弦の張力もさほど大きくなく
楽器に対する圧力や、応力(ねじる力)も少なかったと思われます。
当然、カウンターバランスもそこまで考える必要がないわけです。

昔は、コンサートホールで大勢を相手に演奏する必要もなかったため、
現代ほど大きな音が出る楽器を必要としていなかっただろうと思われます。
むしろ、音色のほうに重きを置いていたのではないかと思われます。

また、現存するストラディヴァリのヴァイオリンなどは、バスバーを修理して
もっと長く、頑丈なものに取り替えられています。
これも、現代のスチール弦の弦張力に負けないようにする工夫です。

バスバーは、表板に対して垂直方向の圧力のカウンターバランスを与えるのみで、
4本の弦の張力ギャップが生み出す、楽器をねじる力のカウンターバランには寄与しないことを調べてきました。

そして、そのねじる力に対するカウンターバランスのために、楽器はワザと非対称な
デザインになっているのではないかということを考えてきました。

つまり、私の言いたいことは、
現代のスチール弦に変更されたことによって、もっと非対称なデザインにしなけば
カウンターバランスが取れないはずだということです。

バスバーを長くしても、応力のカウンターバランスは生まれません。

それは、ネックを右にねじることや、楽器本体の非対称なデザインで生み出すものです。

もっと非対称なデザインにしなければ辻褄が合わないということです。
(もちろん、わたしの今までの議論が正しければの話です。)

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弦張力が今と昔で全然違うのに、昔の楽器
のデザインを模写するということにどれほどの意味があるのでしょうか?
ここまでの議論は、あくまで、物理的、論理的に考えて導き出した結論で
フォノグラムを仮定しなくてもすることのできる議論です。

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⑭ 隠れている保存則 ~非対称性とカウンターバランス

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(ヴァイオリンのf字孔、形や位置が音に影響を与えると言われていますが、
フォノグラムでバランスをとってやれば、どこにあっても構わないのです。
つまり、全体とのバランス関係で部分の位置なども決まってくるわけで、
単独に取り出して考えてもナンセンスなのです。)


楽器製作者は、良い楽器を作るために、いろいろなファクターを考えていきます。

楽器のアウトラインのデザイン、F字孔のデザイン、位置、バスバーの大きさ、
長さ、ニス、などたくさんのファクターをバラバラに考えています。
(ちなみに、私は楽器製作者という自覚はありません。)

しかし、これらすべてが、
「音と形の関係」を調べれば、
同じことを別々にして考えているだけのことになるのです。

それがフォノグラムに現れます。

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例え話ですが、モノを高いところに持っていき、それを落下させますと
高いところから落としたほうが落下した時の衝撃(運動エネルギー)が大きくなります。

これは有名なエネルギー保存の法則ですが

(全エネルギー)= (運動エネルギー)+ (位置エネルギー)

が常に成り立っています。

一見、全然違うエネルギーのように見えて、
実は同じものが形を変えて現れているに過ぎないということです。

楽器製作においても同様です。
別々のファクターに考えているものは、
実は同じものの違った表れに過ぎないのです。

何かのファクターを取り出してそれだけを考えたところで
意味はないということです。

この全体をひとつの秩序にまとめあげる視座を
「職人の勘」などと言わずに、はっきりと理性の元に
明らかにさせるのがフォノグラムによる楽器制作研究の目的の一つです。

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フォノグラムさえ整っていれば、楽器のデザインはどう歪めてしまっても構わない
というわけですが、この自由性に物理的制限を与えるのが、
変更することのできない4本の弦の張力ということです。

目で見ているだけでは決して明らかにすることのできない
保存則や対称性がフォノグラムによって明らかにされるのです。

「保存則と対称性」、それはフォノグラムを書き出して始めて見えてくる問題ですが
これがうまい具合に既存の物理量との関係の中で定式化されれば、
十分に数学表現が可能であることがわかります。

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