FC2ブログ

共鳴現象の相対性について 

g11.jpg
「共鳴現象の相対性をよく表わしたフォノグラム。周囲に共鳴すると中心が崩れる。(赤)
中心に共鳴すると周囲が崩れる。(青) 中心も周囲もないようにしていきます。禅問答みたい!」

楽器のアウトラインの音を合わせると、まるで「音の壁」のようになり、フォノグラムのラインが枠の外にもれなくなります。 
すると、上図のように渦巻きではなく、団子のようなパターンになります。
周辺の部分の音にあわせて(基音にして)音図を描いたものが赤線です。周囲が円のパターンで。中心に行くほど団子の数が増えます。丸からの遊離が団子と考えられます。
丸いほうにあわせるように、団子部分を消していけばよいのでしょうか?
つまり周囲の音を基音として、中心の音を合わせればいいのでしょうか?

今度は、中心部分の音にあわせて音図を描いていきます。青線がそうです。
赤線とは逆に、中心部分が円のパターンで、周辺部分が団子パターンです。
これでは、さっきとあべこべになり、フォノグラムだけ見ていては
どうやって掘り進めて行くのかの指針が決まりません。

実は、これが共鳴現象の相対性を表わしているものなのです。
音楽をやっている方は知っていると思いますが、協和、不協和などの和声法は全て相対的な概念なのです。ですから、基準のようなものは「見方、立ち位置」によってすぐに変わってしまうものなのです。

周辺の音にあわせるように、中心の音を変えるのか?
中心の音にあわせるように、周辺の音を変えるのか?

正解は、中心も周辺もない状態を造ります。
もしくは、同じことですが、全てが中心であり同時に周辺であるような状態にします。

どうやって?

基本的に楽器の外側を成形しているので、中央は削らずに周辺を削っていきます。

すると

g12.jpg

うまくパターンを共有したようです。

このとき、フォノグラムではパターンの共有がおこり、中心と周辺という区別が出来なくなります
こういったことを、難しい言葉で、「シンメトリー(対称性)」といいます。
また、その変化と同時に、木の板が、滑らかな隆起のある形状(共鳴版)に変形しようとしています。
(楽器の内側を掘るときは、逆に周辺の音を基音にして掘り進めればいいわけです。)

*フォノグラムを数理的に扱えるのは、この「シンメトリー(対称性)」があるからです。
 フォノグラムと数学はとても相性がいいのです。
 そして、このフォノグラムのシンメトリーは非常に解りにくい抽象的なものです*

また、このような(周囲と中心が見分けがつかない)というようなシンメトリーは現実世界ではあまり考えられないでしょう。
こういったところもフォノグラムの研究を面白くしている所であり、既存の物理では扱いきれない所でもあるのです。しかし、数学の世界では、決して珍しい概念ではありません。

*最近の宇宙論などは、もはや数学ではないかと思うのですが、いつかフォノグラムの理論が取り入れ
 られるかもしれません。
 これは、私の勝手な持論ですが、宇宙の統一理論なるものは、人間の観測(認識、意識)を含め 
 て扱わなければ、不可能だと思うのです。
(どうやってやるか?)
 デカルト以来の近代合理主義は、明確に形而上と形而下を分けることにより、科学というものを
 発展させてきました。現代物理学もその延長にあります。
 フォノグラムの研究は、どうしても主体(心)と客体(もの)を
 分離して考えることが出来ません。
 しかし、ここには、物理学と同じように美しいシンメトリー(対称性)があります。
 少なくとも、数学にはなりそうです。


この現実世界(時空に拘束された世界)では、音楽は和声法に従い、宇宙は物理法則に従います。
この現実世界では、あくまで共鳴現象は相対的であり、中心が周囲で、周囲が中心という矛盾は
物理法則で禁じられています。

しかし、フォノグラムではそれが可能なのです。(対称性の回復)

そして、なぜかそうすることによってのみ、「木材」を「楽器(生き物の形)」に変形させることが出来るのです。ですから、紛れもない現実世界の話でもあるわけです。

フォノグラムの意味においては、共鳴の「相対性」は解消されてしまい、「絶対性」を取り戻すことが出来るのです。


*ここで「絶対性」という言葉は、「相対性」という言葉の対概念として使っています。それ以上の意味はここにはありません。

つづく

はじめての方へ *本ブログの内容説明



にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村
クリック お願いします


関連記事

音の壁
魔法の望遠鏡(1
魔法の望遠鏡(2)
魔法の望遠鏡(3)
魔法の望遠鏡(4)



共鳴現象の非可換性について (1)

b0122524_15543293.jpg

前回の記事では、共鳴現象の相対性という性質をとり上げました。
共鳴現象において、基準というようなものはすぐに移り変わってしまうものであり、見方、立位置によって
解釈が異なり、ときによっては真逆になってしまうほどでした。

また、物理理論や和声理論では考えることの出来ないシンメトリー(対称性)を、フォノグラムでは考えることが出来ることも見てきました。

今回は、もう一つの重要な性質、共鳴現象の非可換性という性質に眼を向けてみたいと思います。

まず、非可換性という言葉について説明したいと思います。

たとえば、Aという行為の後にBという行為をするというのを

     A*B
と約束します。

AとBにはどんな行為を当てはめてもいいのですが、ここでは

 A:Yシャツを着る    B:ネクタイを結ぶ

として、考えてみたいと思います。 すると

     A*B   (Aをした後にBをする。)

は、

      Yシャツを着た後で、ネクタイを結ぶ

ということになります。次に

    B*A    (Bをした後にAをする。)

を考えて見ます。

      ネクタイを結んだ後で、Yシャツを着る

になります。 不可能ではないですが、常識的に言ってナンセンスになってしまいます。
このとき、明らかに

    A*B¬=B*A

です。   (¬= : ノットイコール)

A*Bというのは、Aの行為の後にBの行為をするという二項演算を記号で表わしたものですが
このように、演算の順序が変わると結果が変わってしまうことを非可換性といいます。

(厳密な定義は、数学書をご覧ください。議論の本筋と関係のない厳密さは今の所あえて避けます。
「何をやっているのかわからないのに、厳密にしてもしょうがない:J.F,ノイマン」
 ということです。)

この現実世界の現象のほとんどが、非可換だということがわかります。
行為というのは、時間順序に縛られるのが一般的であるからです。

先に、非可換性というものを説明してしまいましたが、可換性も説明しておきます。
ようは、上の二項演算で

        A*B=B*A

が成り立つようなものです。

たとえば  

      A:50mmグラムの砂糖をコーヒーに入れる

      B:50mmグラムのミルクをコーヒーに入れる

これは

        A*B=B*A

であるといってもいいでしょう。(常識的に)
また、普通の数学(初等数学)で習う演算規則はほとんどが可換代数です。
たし算、引き算、掛け算、などはみなそうです。

割り算だけ違います。割り算は非可換です。

   4÷2=2
   2÷4=0.5

で結果が違いますから、これは非可換です。
また行列の積の演算も非可換です。

792168_10706578.jpg


現実世界の様々な現象を、数学的に取り扱う時、非可換のほうがむしろ一般的なのです。
現代数学のあらゆる分野も、可換から非可換の方向に移行しているようです。
数学は、まず特別な場合(可換)からスタートし、一般的な場合(非可換)に拡張されていったようです。
歴史的には、量子力学の数学的定式化が非可換代数の発展を促したようです。(うる覚えで書いていますので、他のサイトで確認してください。)

さて、本題に入りたいと思います、がその前に、、、、、

共鳴現象の非可換性についてですが、まずはじめに、「何と何が共鳴するのか」ということをはっきりさせておかなければなりません。

それは、

① 「もの(楽器)」と「もの(楽器)」なのか?

それとも

② 「もの(楽器)」と「ヒト(生命体)」なのか?

それとも

③ 「ヒト(生命体)」と「ヒト(生命体)」なのか?

です。

物理学で扱うのは①です。
フォノグラムで扱うのは②と③です。
②と③の共鳴現象を利用した諸結果がフォノグラムの研究成果なわけです。
②は楽器制作にあたり、③は東洋医学の鍼灸理論などの経絡現象にあたります。


本題に入る前に、このことも説明しなければなりません。
これが共鳴現象の可換性と非可換性の性質を大きく分けることになるからです。
また、このことから、フォノグラムが「音楽そのもの」であることがわかります。


つづく

はじめての方へ *本ブログの内容説明



にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村
クリック お願いします

関連記事

腹(丹田)で聞く音
心と体




共鳴現象の非可換性について (2)

d0070113_6132237.jpg


前回 共鳴現象を3種類に分けて考えました。それは

① 「もの(楽器)」と「もの(楽器)」の場合


② 「もの(楽器)」と「ヒト(生命体)」の場合


③ 「ヒト(生命体)」と「ヒト(生命体)」の場合

の3種類です。

物理学で扱うのは①です。
フォノグラムで扱うのは②と③です。
②と③の共鳴現象を利用した諸結果がフォノグラムの研究成果なわけです。
②は楽器制作にあたり、③は東洋医学の鍼灸理論などの経絡現象にあたります。


まず①から見ていきます。
ここに二つの楽器があります。
例えば、ヴァイオリンとピアノがあります。

     A:ヴァイオリンを弾く   

     B:ピアノを弾く      *弾く:一定以上の時間、音を鳴らすという意味で

このとき、物理的な共鳴状態は

      A*B=B*Aです

人の心理的(音楽的)な緊張状態を無視した、物理的な周波数に着目したものだからです。
ですから、これは可換な共鳴現象と言っていいでしょう。
物理や音響学が扱うのはここまでです。

Ravi_Shankar_woodstock.jpg
(ラヴィ・シャンカル)



次に②に行きます。
②は人(生命体)と物(楽器)の共鳴現象です。

これは、音楽演奏そのものですし、フォノグラムの楽器制作法に当たります
以下これを説明していきます。

人が共鳴にかかわる時にポイントになるのが

生命体は、共鳴による緊張状態を一時的に記憶してしまう点にあります。
物は、共鳴が終われば、何事もなかったかのように元の状態に戻りますが、
人の身体、意識の記憶などは、緊張状態を一定以上保ってしまいます。
このおかげで、音楽による芸術表現が可能になっているのです。

ある緊張状態を音で作り出し、その後に、弛緩させるような音を持ってきます。
これらの弛緩と緊張の組み合わせが、人間の心を表現するための基礎になっているわけです。
ですから、楽器と人の共鳴現象は、物と物の共鳴現象とは根本的に違うのです。
また、その違いの本質は、共鳴現象の可換性と非可換性にあるといっていいでしょう。

例えば、   

   A:ド(440hz)を鳴らす

   B:ミを鳴らす

とします。

    A*B

は まず、ドに体が共鳴します。その緊張度に意識がロックします。
その後に、ミを鳴らします。ドの緊張度からミの状態に移行します。

次に
    B*A

まず、ミに体が共鳴します。その緊張度に意識がロックします
その後に、ドを鳴らします。ミの緊張度からドの状態に移行します。

このとき
  
    A*B¬=B*A

です。もしもこれがA*B=B*Aになってしまえば、音楽表現の幅は一気に減少することでしょう。
なぜなら、それは、和音(ドとミの)だけを許すということになってしまうからです。
和音は確かにA*B=B*Aで可換です。

つまり、(人間)生命体は、この一時的に緊張度を保存してしまうという、生理的な性質を持つがゆえに、音楽という芸術が可能なのだということを言いたいのです。

共鳴現象の可換性と非可換性の違いを明確にすることがフォノグラムの理解の鍵になります。

g22.jpg


次は、フォノグラムによる楽器制作がまったく②と同じ共鳴現象を利用したものであることを説明します。

つづく

はじめての方へ *本ブログの内容説明



にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村
クリック お願いします