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制作風景(フォノグラムによる製作法の課題) もも

裏板と 横板を接着することが出来ました  
 
今日は フォノグラムを利用した楽器製作法の
課題点に目を向けてみたいと思います

zure1.jpg

↓は 市販のヴァイオリンです
縁取りが綺麗です ラインが平行に走っているのがわかります

zure3.jpg

↓は 今造っている楽器です 縁取りが並行ではありません

残念ながら歪んでいます

zure2.jpg

この部分が フォノグラムによる楽器製作法の一番の課題点です

音で淵が決定されているため
取り付けた後に 淵をそろえて カタチを修正することが出来ません

見た目の形を揃えようとすれば
音の形が崩れてしまいます


市販のものは フォノグラムのことは考慮していませんから
淵をいくらでも綺麗に 平行になるように修正することが出来るのでしょう
(ちなみに サンドペーパーでちょっと擦っただけで
フォノグラムは変化してしまいます)

201107310003_convert_20110801201740.jpg
(外枠 フォノグラム修正前)

アモーレ3 フォノグラム 完成_convert_20110801202537
(外枠 フォノグラム修正後)



ひょっとしたら 音を聞き取る能力がもっと上がれば
解決できるのかもしれませんが
いまのところ 解決策は 木工技術を上げるしかないようです
音とは関係のない 純粋な木工技術です


目で見ても
耳で聞いてもいい楽器

まだまだ 道のりは遠そうです

関連記事 ピカソと皮膚(5)
       音の壁

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クラドニ図形とフォノグラムの比較研究(1)

149963f2_2.jpg
(さまざまな固有振動のクラドニ図形)

クラドニの法

「クラドニの方法というのは、板の固有モードあるいは基準モード
と呼ばれる振動の様子を、肉眼で一目に見せるものである。
調べようとする板を水平に支持し、その上に細粉をまき、その板を振動させる。
すると、一様にまいておいた細粉が移動をはじめ、特有の模様を描くという
見事な方法である。
板に与える力の振動数が、ある特定の値(固有振動数)になると、板が共鳴して
板に定在波が立つ。そのとき、定在波の腹の所は、激しく振動する。
この振動が細粉を弾き飛ばすので、細粉は振動しない定在波の節に集まってくる。
その結果、節の模様が綺麗に描きだされるのである。」(よく言えた~)

(ヴァイオリンの音響学;C.M.ハッチンスより引用)

上の図形は いろいろな固有振動に対するクラドニ図形です

動画はこちらから

クラドニ図形の特徴は 

1 閉じた図形になっている

 閉じているというのは 渦がないということ
 線の始点と終点が一致するということ

2 フラクタル図形になっていること

3 振動させて始めて浮き上がる図形であること

 などがあげられます

これに比べてフォノグラムはどうでしょうか?

fig1.jpg


フォノグラムの渦を消すように 共鳴版を掘り進めると
共鳴が強くなります
その時 フォノグラムはクラドニ図形のように閉じます

fig36.jpg


クラドニ図形は フォノグラムの閉じた図形パターンに相当すると
考えられます。

大きな違いは 

渦巻き模様があること

実際に振動させる前に書き取れる図形であること

などです

フォノグラムを調整して渦を消すことは 
クラドニ図形のパターンを増やしていくことにあたります

クラドニ図形のパターンが豊富なほど
良い楽器であるといってよさそうです



つづく


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クラドニ図形とフォノグラムの比較研究(2)

クラドニ図形の特徴は

1 閉じた図形群になっていること

  閉じているというのは 
  フォノグラムのような渦巻き模様がないということ
  線の始点と終点が一致するということ(とりあえず)

2 フラクタル図形になっていること

3 振動させて始めて浮き上がる図形であること



  *閉じた図形 開いた図形という意味ですが ここでは 渦がある なし 程度に抑えておいてください*
   
uzu.jpg
   


これに対し

フォノグラムの特徴は

1 閉じた図形だけでなく 開いた図形(渦巻き)もあるということ

2 フラクタル図形になっていること (ここはクラドニ図形と一致)

3 振動させなくてもフォノグラムは描けるが 振動させれば クラドニ図形が浮き上がる


フォノグラムの渦を消して共鳴版を削っていきますと 
全てのクラドニ図形のパターンが現れます


ということは クラドニ図形群は フォノグラムの図形群の一部だということです
クラドニ図形は フォノグラムの特別な場合といっても同じです



クラドニ図形は 振動している膜や板の上に砂を撒くと、
振動の節の部分に砂が集まりパターンを描きます。

c0108014_6524598.jpg


  *特に共振によって振動している場合、
   ラプラシアンの固有関数(-ΔU=λU、∂U/∂n=0、U¬=0)の節線であると考えられます*

フォノグラムは この式の解にはなりえませんが
この式の解になるように変形(整形)することが出来ます


フォノグラムを利用した楽器制作は
フォノグラムの渦を消すことにより
閉じた図形群(クラドニ図形)になるように
共鳴版を削るといってよいと思います



フォノグラムの渦(開いた図形)を消す
     ↓
クラドニ図形(閉じた図形)にする
     ↓
すべての音の層に対してこれを施す(フォノグラムは音の層になっている)
     ↓
あらゆる固有振動に対して クラドニ図形が出てくる
     ↓
あらゆる音に対して反応できる共鳴版(ホワイトノイズの実現!)
     

大雑把に言って これがフォノグラムを通じて
我々が向かおうとしている研究の方向です
(あくまでも大雑把です )


fig9.jpg


フォノグラムを調整することによりにより
クラドニモードの数を増やすことができるということは
フォノグラムの実在性を間接的に保障すると考えることができます


   *今の所 音に対する感受性が少ない人にはフォノグラムは存在しません
    かといって 物理的に測定する術もないのが現状です
    ここは ”理論があって初めて何を観測するかが決定される”
    という アインシュタインの言葉を信じて進みます 
    実際 その道しかなさそうです*



フォノグラムは いわば 共鳴状態の異なる共鳴版を
複数張り合わせた様子を表わしています(まるでピカソの絵のように)

異なる共鳴状態の境界線に 渦が現れます

実は 楽器になっていない ただの木材がこの状態なのです

これを共鳴版の 全ての面に渡り 同一の共鳴状態にするという操作が
フォノグラムの渦を消していくという操作に還元されるわけです


つづく

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       ピカソと皮膚 (2)
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       ピカソと皮膚 (5)
       ピカソと皮膚 (6)
       命を吹き込む


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