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制作風景 ~音(こころ)が創った形~

生命形態の保存則シリーズは
ちょっと休憩

コーナーブロックの形は その国の伝統によって様々です
丸っこいものから 長方形まで いろいろです
本質的に重要なことは 共鳴版の振動の邪魔にならないようにするということです
また それを満たす形ならばどんな形でも許されるはずです

juju.jpg
(丸っこくカットされたブロック)

振動の邪魔をするとはどういうことかといいますと
振動の腹の部分に何かをあてがうということです
それは振動を殺してしまいます


振動


つまり 共鳴最大の楽器というのは
その形状の全ての構造が振動の節にくる様に設計してやればよい
ということになります
(どうやってやるか?)

jiji_20111118115217.jpg

クラドニ図形は様々な固有振動にたいする
共振時の振動の節を表わしています
クラドニ図形の線上にブロック位置を持ってくるように整形していけばいいわけです
クラドニ図形は 直線格子型 放物線型 双曲線型 同心円など
様々なパターンがありますが いずれも振動の節に当たるわけですから
どれも候補になりえます

fig28.jpg
(双曲型のフォノグラム; 渦のないフォノグラムはクラドニ図形と一致)


fig22.jpg
(渦のあるフォノグラム;振動を殺してしまう構造になっている)

「形」がなければ「音」は存在しませんし
「音」が鳴るということはそこに何らかの「形」が存在するわけです

「音」と「形」は双対の関係にあり 「音」の情報から「形」の研究をしているのが
フォノグラムの研究ということになります

「物」が創る「形」と「音」が創る「形」

同じ形でも中身がぜんぜん違います

このことは人間にも当てはまります

「物」で出来ているのか「音(こころ)」で出来ているのか
あなたという「形」はどっちで出来ていますか?

わたしは 木材が楽器になっていくプロセスと
人間の精神の変容のプロセスが同じ
ではないかと考えています

その変容のプロセスが フォノグラムの図形変化として捉えられるのです



fig24_20111118122724.jpg
(なぜ曼荼羅はあのような構図なのか? フォノグラムを観ていたから?)



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クラドニ図形とフォノグラム研究 (2)
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クレモナの伝統について

20091021224603.jpg
(ストラディバリウスの故郷クレモナのドゥオーモ。)

イタリアのクレモナといえば ヴァイオリン制作の聖地とされる町として有名です
 『クレモナの伝統的手法』、『クレモナの伝統を受け継ぐ製作者』
など 多くの製作者や楽器商の人々が『クレモナ』を引き合いに出します

私は そういった伝統とはかけ離れた方法で楽器を造っているわけですが
普通の製作者は どんなことを学んでいるのか知りたいとも思うわけです

そんなわけで クレモナについて調べてみたら面白いことが解りました


以下 サイト ヴァイオリン作りの独り言より引用

クレモナは、弦楽器製作と言う言葉が18世紀で楼蘭のようにまったく消え失せた町なのである。
 ところが20世紀にファシスタ政権のベニト ムッソリーニ(イタリアの独裁者は音楽の素養があり
ヴァイオリンを弾いたのだ!)が、イタリア賛美のもとにストラデヴァリ没後200年祭の翌年、
1938年に無理やり弦楽器製作学校をクレモナに設立したのである。
現代のクレモナの名マエストロたちも、たかだか40年前にクレモナの製作学校で、
17~18世紀の製作法をあまり理解していないモダンイタリーの製作者に学んだだけなのである。
日本の輪島塗は室町時代の応永年間から受け継がれている。クレモナには確かに歴史はあったが、
伝統はまったくないのである。
 そして残念な事にムッソリーニの作った製作学校は、
17世紀の職人たちの真髄をまったく理解できていない不知な教官たちによって、
多くのクレモナ弦楽器製作者集団を生み出してしまった。
そして、その何割かの製作者は、何の疑問や罪の意識なしに半完成品や中国製の二スを
塗っていない白木楽器を使用して自作のクレモナ手工ヴァイオリンとして素知らぬ顔をして売っている。
現代の弦楽器にとってクレモナと言う言葉は、まったく意味のない事で、これを頼りに
弦楽器を選択しては、後悔することになる。 真のクレモナの意味を理解していない製作者ほど、
クレモナと言う冠を其処ら中にかぶせたがり、消費者もこれに陶酔する。
 伝統工芸をだめにするのは職人だけのせいではない、商人や消費者の責任もある。


school.jpg


クレモナ製作学校創立当時の学生を教えるマエストロ、カルロ スキャアビ教諭
1943年にコンテとインパロメ二の2人が初めてのクレモナ製作学校の卒業生となる。




クレモナの伝統 そんなものはないということです

従来の製作法を知らないということに少し引け目を感じていましたが
そんな必要はないということがはっきりしました

Antonio_stradivari.jpg
(アントニオー=ストラディヴァリ ヴァイオリンを完成させたとされる人)

「おが屑にまみれて 試行錯誤するしかないんだよ~ 自分で探せ~」

と言ってそうな気がします

自分の学習も踏まえ 従来のヴァイオリン制作研究のことも
ブログの記事ねたにしようと考えていましたが 今回で終わってしまいました




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制作風景 ~生き物の設計原理~

mkmk.jpg

顔が出来ました
組み上げる前段階で 音は極力揃えますが
組み上げると どうしてもズレます
修正の余地を残しながら音を合わせて形を造っていきます

普通 ヴァイオリンは二つのf字孔がありますが
ヴィオラ ダモーレは 炎のような孔が特徴の一つです

なにか 伝統的な意味があると思うのですが
フォノグラフィックな曲線なら どんなデザインでも構わないと思います
フォノグラフィックなデザインは どんなデザインでも「生きた形」になってしまいます

mo8.jpg

この楽器は 5弦のヴィオラ(ヴィオラ ポンポーサ)にするつもりでいましたが
形が ビオラ ダモーレなので 共鳴弦を五本足して
共鳴弦付の5弦のビオラ(全部で10弦)にしました
これはそのためにデザインしたネックです

mo11.jpg

すごく生き生きした形が生み出されました
いつものことですが 音を聞いて形を造っていくと
勝手に出来てしまうのです
しかも デザインを決めてから完成まで5日かからなかったと思います
別に速く造り上げることに意味はありませんが
考えてやっていては出来ないことです

生き物が生み出てくる手伝いをしているという感覚が
最もしっくりする表現です

もし 音を聞かずに 恣意的に削っていったら
こんな風にはならないでしょう(少なくとも私は疲れてしまいます)

mo10.jpg

このデザインは全てオリジナルで 初めて造った形です
初めて造ったにもかかわらず
まるで計算しつくされたかのような仕上がりです

自慢しているわけではなく ある自然の原理を知れば誰でも可能だということを強調したいのです
技や術を超えた「科学」がここにあるのです

それが 音を聞きながら彫り進めていくという
フォノグラフィックな楽器制作法です


私の友人が ネックロールの渦巻きをみて「いつ見ても万物の象徴(生命の根源)のように思える」と言っていました

DNA螺旋や神社のしめ縄を連想される方もいるでしょう

ro.jpg
(フォノグラフの典型的図形パターン 渦巻き)

神様(大自然)が生命を形にする時 どんな原理を御使いになられたのでしょうか?

フォノグラムの研究を進めていきますと
自然とそんなところまで思いを馳せてしまいます



「はじめに言葉(音)ありき」(ヨハネの福音書)




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