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紙一枚の差を感じ取る

紙一枚の厚さがどれくらいか知っていますか?

だいたい0.08~0.09mmぐらいです

ぴんとくる人は少ないと思います

でも 紙を二枚重ねると一枚の時よりも
厚いという事を 指先の感覚は記憶することが出来ます

頭で理解するよりも前に 身体感覚が記憶します
この場合 親指と人差し指で紙をつまみます
そのつまんだ紙の厚みを全身で受け止めます

紙一枚を基準に 何回も練習すれば だんだんと
この厚みは 紙何枚分かということがわかるようになってきます

0.1mm以下の厚みの調整は機械では無理ですし
肉眼で見ても その違いを捕らえられません


ここでフォノグラム(音の図形)が役に立ちます

これは 楽器の横板です
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 (材料はヒノキ 本当は楓を使います  )

これを厚み1,3mm前後にそろえて生きます
この写真では だいたい1.4mmぐらいにあわせてあります

R0015708.jpg

紙に換算すると何枚分でしょうか

R0015709.jpg

だいたい15枚分でした ここから紙一枚分以下の厚みの調整をしていくわけです
見た目にはほとんど区別のつかないこのような世界をフォノグラムは捉えます

横板 フォノグラム 整形

1段階目 1.4mmぐらいからスタート:音ムラがフォノグラムの渦巻き模様にあらわれます うずのところは周辺よりも若干厚いところです
厚いといっても0.0何mmの違いです しかし音は違います

2段階目 :渦が少しずつ少なくなっていき 円らしきものと直線らしきものが現れ始めます 渦は円が崩れたもの 波線は直線の崩れたものと解釈できます

3段階目 :横方向には直線パターンが 縦方向には直線だけれど 途中で折れてしまうパターンがあります 縦方向の音をそろえて観ます
      すると。。 
4段階目 :このように 格子と円が埋め尽くされます (円型パターンは本当は埋め尽くされています めんどくさいので途中までしか書いていません)
 
この間  サンドペーパーの180番で数回削るという微妙な作業です

フォノグラムの方法は人間の身体感覚を利用したものです
機械では無理なことも 人間には可能です

人間だからこそ可能なのです

人間の”感じ取る”能力も無限に拡大していくはずです

フォノグラムは”感受性”といわれるものの正体かもしれません

経済性も考慮して?

今製作している楽器は 
現在の標準とされるモデルから あえて外してデザインしています

現在の標準とされるヴァイオリンのデザインや寸法が
どこまでが「必然的」なものであり
どこまでが「迷信」なのかを探るためです

アウトラインの研究では  「ビヨーム型」でありさえすれば
どんなデザインも フォノグラム的には許される可能性があるということを見ました

ここで「ビヨーム型」とは 内側に「くぼみ」がなく 連続変形すれば「円」になるような形で
滑らかな「曲線」でできていることです
詳しくは過去記事:アウトラインの研究へ

内型を作っている時に「はた」と気付くことがありました
ヴァイオリンのアウトラインのデザインの秘密が
経済性」によるものであることがわかったのです
(こういうことは 実際に手を動かして確かめるまでは気付かないかもしれません)

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左が 今製作中の楽器です
底の部分が丸っこいのが特徴です
右は 標準的なヴァイオリンのモデルです
底の部分が右側の楽器に比べて平らなことに気がつきます
(左はヴィオラサイズなので大きさは一回り大きいです)

左は 底が丸いため ブロックに使う材料が
少し多めに使うことになってしまいます
(ネック側のブロックも同様)
右は 底が平らなため ブロックに使う材料が
少なくてすみます

ようは「ケチった」結果なのでした

ストラディヴァリ以前は 標準というものはありませんでした
今の車や 携帯電話のように 頻繁に「モデルチェンジ」
がなされていたようです
そのような中で 現在の標準というものが出来た要因のひとつに
「経済性」というものがあったのです

一切の無駄を省いた「経済性」は
「美しさ」も備えていたのです

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(底が丸っこいのが特徴 通称:もも
桃みたいだから)

ホワイトノイズと時間(1)

ここに 正三角形があります
正三角形はすべての辺が等しく すべての角が等しい(60度)という
性質を持っています
この三角形の重心を60度回転してみます
元の正三角形のままです
回転操作の前と後で見分けがつきません
こういうことを難しい言葉で「対称性」といいます

三角形 回転

この見分けがつかない(対称性)ということを
「重力」と「加速度」に見出したのがアインシュタインでした(等価原理)

「対称性」という性質を見出すことは「宇宙から新たな法則を見出す観点を人間に与えてくれます」

ここでは 時間にたいして「対称」なものを考えてみたいと思います

物理法則は 微分方程式で書かれています
時間も過去と未来は対称に扱われています

しかしわれわれは 時間が不可逆過程であることを知っています
(過去に巻き戻すことは出来ない)

時間を対称に反転するするということは

机の上の花瓶を床に落とし 割れてしまった様を
ビデオで録画し 逆まきで見るということです

だれでもこんなことは現実に起こりえないということを知っています
見分け」がつくからです

テープで録音した声や音も逆まきして再生すれば
すぐに「見分け」がつきます

しかしホワイトノイズをテープで録音した場合はどうでしょうか?
むかしのTVで白黒のランダム画像とホワイトノイズのVTRの場合はどうでしょうか?

これは普通に再生したのと 逆まきで再生したのと「見分ける」ことが出来るでしょうか?

わたしは 「時間に対称」なものの一つの候補として
この「ホワイトノイズ」をあげたいと思います。
(ほかにもあるかもしれませんが 私にはこれ以外思いつきません)
これを理論の軸にもってくれば
この世界をどのように「切り分ける」ことができるでしょうか?

ホワイトノイズ」が時間概念の先にあり 「ホワイトノイズ」からのズレを「時間」と定義
することは出来ないでしょうか?

定義できないまでもホワイトノイズとの関係性において
「時間概念」を捉えなおすことは出来るはずです


この可能性を追求していきます

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