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お化けかぼちゃ(2)

とりあえず 外枠の音をそろえて 実際に 彫ってみました
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この楽器の形の一番の特徴は
縦長に複数の太鼓を重ねたような形状と
一番下の 内側にえぐるくぼみです

音を合わせて彫っていくのですが
どこから音を合わせるのか?

周囲から音を合わせて中央に向かう方法
部分の小さな太鼓を作ってから
最終的にそれらをつないで
大きな太鼓に統合する方法

大体この二つの方法に絞れると思います

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実は 掘り進めていくうちに
この形状では すべての面を音で統合することは不可能という結論に至りました
音を合わせて彫っていくと どんどん形状がやせていってしまいました
あるところの音を合わせると 別のところと合わなくなり そこにあわせて彫っていくと
また別のところが、、、、というように いつまでも音群が閉じてくれません。
なぜでしょう?
答えは楽器のアウトラインの形状にありました

そもそも
このお化けかぼちゃを創ろうとした動機は
フォノグラフで楽器を作るやり方は
アウトラインの形状に依存しないと思っていたからで
ヴァイオリンのような楽器ではない
もっと自由な形状を求めたからです

しかし 実際には 等音面を作るには アウトラインに制約を設けねばならないことが
今回の実験である程度わかりました

この楽器の製作は一時断念して 楽器のアウトラインについての研究報告を次回からしていきます




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お化けかぼちゃ(3) アウトラインについて

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この楽器は 上の図のように
いくつかのサイズの異なる太鼓(共鳴版)が重なっている楽器
だと解釈できます
それぞれが 大きさ 形などてんでバラバラです
もちろんそれぞれの音響特性も違います
これらが統一体として共存できるでしょうか?

それには 小さい楽器を一つにまとめるベースが必要です
そのベースになる部分が 赤い部分です
この形だと どうしても 細長くなってしまいます
何とか統一体にしようとすると
この細長い部分を軸にしなければなりません
実際掘り進めたら下の図のようになってしまいました

kabo-fon_convert_20110719224947.png

ちょっと いやな形になっています
このベースの部分にそれぞれの小さな部分を音でつないでいきます
が 形がどうしてもやせたものになっていってしまいます

結局これは
ho.png



のような楽器を作っていることになります
細長い共鳴版に 部分の共鳴版がついているような楽器
つまり 細長い楽器

そのような楽器に トルコの民族楽器 ヶメンチェ があります
karadeniz_kemence_blg.jpg
お化けかぼちゃは ヶメンチェの楽器の変形としてみることができます

ケメンチェの実際の演奏画像

細長い楽器の音響特性は 低音部分(ベース)と高温部分(中の小さい楽器群)の成分が多く
それをつなぐ中間領域の振動がないと推測されます

ちなみに ヴァイオリンの名器は 低音 中間 高音の振動領域を すべてまんべんなく
含んでいる音響特性を示します(白色ノイズ)。

このお化けかぼちゃでは 少なくともヴァイオリンのような澄んだ音は出すことができません

今度は見方を変えて
周辺から 音を合わせていくとどうなっていくかを考えて見ます

15.png
(小さい太鼓が共存している状態 不動点は太古の数だけある ひとつに統合することができるか?)

中央のベースになる部分を無視して 周囲から中央に向かって音を合わせて
掘り進めていきます(実際彫っている時は同時にやっています 周辺から中央に行くときは部分音が多く含まれた状態からのスタートで
中央から掘り進める場合は ベース音をよく含んでいる状態からのスタートです)
それぞれの部分(小さな太鼓)が先にできてしまう感じになってしまいます 
それが中央で一つに融合してくれればいいのですが 融合できずに 分離してしまうのでした。
その原因が かぼちゃの くぼみ部分です
14.png
(周辺から中央に向かう等音線)

周辺から等音曲線を作っていくと
このくぼみのせいで 不動点が二つになってしまうのです
つまり 二つの楽器に分離してしまいます(フォノグラフィックな意味で)
二つの 相異なる秩序が同居すれば それは不協和音になります
病的な状態です これは 身体の病的な状態とまったく同じです
(この辺の詳しい説明もおいおいしていきます)
むしろ かぼちゃを二つに割ってしまったほうが
良い楽器になると思われます

この辺のことは 純粋に数学的に証明可能だと思います

この くぼみ部分は 楽器を分割するように働くということです

このくぼみを修正して 何とか丸めてしまえば
このようなことは起きないと思われます
しかし デザインとしては かっこ悪いと思います
デザインが 音響的に本質的なものか そうでないかは
このようにして解明できます
13.png
内側に向かう特異点は楽器を分割してしまう。。。。。。

つづく


お化けかぼちゃ(4) アウトラインについて

古楽器にはいろいろなデザインがあります
k1-1.png
これはお化けかぼちゃ k-1

k1-2.png
これは 少しヴァイオリンに近づいた形をしています k-2

k1-3.png
これは 。。。。。。。。ブサイク k-3

以下の説明のために 上からk-1 k-2 k-3とします kはかぼちゃのkです
これらのデザインはよく見るとあるパターンの組み合わせの変形になっています
k-1は アッパーバウツのコーナーが外に凸で ローワーバウツのコーナーが内側に凸です(内側にくぼんでいます)

k-2は両方が外側に凸で k-3は両方が内側に凸です

k1-12.png

内側に凸か 外側に凸 赤枠で囲んだ部分
k1-22.png

k1-31.png
デザインは この凸の組み合わせと
それらを結ぶフォノグラム曲線

もしくは 異質なフォノグラム曲線が交差するところを凸と考えても同じことです。

次回は k-2 k-3を調べていきます
音響的に意味のある形 装飾と そうでないものを分けるのが狙いです
音響的に意味のある形は 不動点が一つのフォノグラム曲面でできているはずです

調べていくうちに ヴァイオリンの形状が
最も合理的でシンプル かつ優雅にデザインされていることに気づかされます

つづく