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スピーカー開発で気がついたこと   情報科学としての見方①

情報科学としてのフォノグラム


「グラス一杯の中に全宇宙がある 」(ある詩人の言葉;ファイマン物理学から引用)


この短い言葉で、物理学者リチャード=ファイマンは次のことを示そうとしました。

学問領域というのは人間が勝手に考えて線引きしたものであって、自然の側から見ればそんなものは存在しない。



フォノグラムは既成の科学ではどの分野に属するでしょうか?

物理学?、音響学?、形態学?、東洋医学、精神医学、生理学、心理学??

どれも違うような気がしますが、情報科学としてみると意外と面白いのかもしれない
と考えるようになりました。

naka12.jpg
(楽器内部のフォノグラム。)

そう考えると、フォノグラムというものを、他の学問とどう結びつけることができるか?
ということが見えてきます。
(もちろん、独創的な新しい学問領域とみなすこともできますが、、、、。)

こう考えるようになった契機は、フォノグラム技術を楽器だけでなく、スピーカーボックスに応用する過程においてでした。

スピーカー


私は、オーディオの世界は素人ですが、このブログをご覧になられた方(元スピーカー開発に携わった方)からフォノグラムの技術をスピーカーボックスに応用できないか、という提案をFaceBookを通じて頂きました。
正直、初めはピンときませんでした。

試しに、圧電スピーカーを楽器にあててみたら、ものすごいよい音が出ました。

おお!!これはすごい!!

今あるヴァイオリン、ギター、作りかけの表板など、いろいろな楽器に圧電スピーカーをあててどんな音が出るか
しばらくの間は無邪気に遊んでいました。

無題11


当然のことながら、もっと音をよくしたいという欲求から、圧電スピーカーを当てて音が出ている状態で
フォノグラムに従って、楽器をヤスリでこすって、音色をリアルタイムで変えていきました。
(私のような人間は、こういうことを無意識にやってしまいます。)

すると、期待道理に音色をコントロールできることが確認できました。
(この圧電スピーカー遊びが、後のフォノグラムの実証につながるわけです。)

この時、初めて直感的に、楽器制作とオーディオ開発が自分の中で同じであることがわかってきました。
以下、フォノグラムの観点からの、私のオーディオに対する考え方を示してみたいと思います。
(オーディオについては素人ですので、基本的なところで思い違いをしているかもしれませんが、
その時は大目に見ていただけたらと思います。)

よいスピーカー作りというのは、一言でいえば、いかに、ひずみをなくしていくかということに
かかっているようです。

30.jpg

どうやら、フォノグラムで渦を消していく操作は、ひずみを消す操作ににあたるようです。
これから何回かにわたって、フォノグラムを情報という観点から眺めていきたいと思います。スピーカーの話から、生命の形、ガウディーの建築など、様々なことをトピックにしながら説明してみることにします。


つづく

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スピーカー開発で気がついたこと   情報科学としての見方②

ひずみというのは、初めの純粋な音源(純粋な情報)を乱してしまうものを指します。
また、このひずみは、いろいろな要因から発生します。

オーディオシステムは、電気再生システムですので、CDのようなデジタル信号を電気信号に変換し、
その電気信号を空気振動にに変換するシステムが内蔵されています。
電気信号を磁気コイルの振動に変換し、そのコイルの振動をコーン紙が空気振動に変換します。
image022.gif


電気信号のようなデジタル信号を空気振動のようなアナログ信号に変換しています。
いわゆるアナログ=デジタル変換というやつです。
アナログ情報というのは、楽器から出てくる生音を、人間の耳が直接聞いた音、そのままの音で、連続量です。
デジタル情報というのは、CD音源のように、アナログ情報である生音をデジタル信号に変換した音で、元の音源を
いわば加工処理したものです。
これは、離散量であり、元の連続量の近似情報にすぎません。



k3.jpg
:連続量(アナログ)と離散量(デジタル)の違い



こういうわけで、生音、純粋な音と、それをデジタル信号処理した音は同じではなく、
情報の改ざんが行われてしまっています。

いわゆる、HiFi(忠実再生)をするためには、いかに、この系の変換を少なくするかにかかっているといっても過言ではありません。
なぜなら、変換のたびに、情報の改ざんが行われていってしまうからです。

システムに入力した音源情報をいかに情報を改ざんすることなくストレートに出力することが出来るか?
一言でいえば、これがよいオーディオシステムということになりそうです。

当然、変換過程が少ないほうが情報の改ざんが少なく済むのですが、さてどうしたらよいでしょうか?

一般的なスピーカーシステムは、コーン紙と電磁変換コイル、それを制御する機械系、それを梱包しているボックス
という構成になっています。

機械システムというのは、生命体のようなシステムと違い、部分に分解することができます。

生命体はこれが出来ません!!


kkkkk.jpg


さてここで、一度、ヴァイオリンなどの弦楽器の話に戻りたいと思います。


楽器は機械部品とは違いますが、部分に分解できます。
大きく分けて、表板、裏板、横板、ブロック、ネック、です。

simemasu1.jpg


これらの部品がフォノグラムで異なる図形パターン同士だとしたら何が起きるでしょうか?
同じ入力に対して違う振動をしてしまうもの同士を張り付けたとするといったい何が起きるでしょうか?

うまくいけば、共振してくれるかもしれませんし、してくれないかもしれません。
たいていは、不協和音、唸り、濁り、ひずみの問題を引き起こします。
もちろん、フォノグラムの図形パターンを同じにすればこの問題は解決されます。
各々の部品が共鳴体として統一体だとしても、違う統一体同士があわさると、統一体ではなくなるという現象が音の世界では起きるのです。
これは、音楽の世界では当たり前のことなのです。
協和関係にある音群、たとえばCメジャーコードとC#マイナーコードはそれぞれ別々にならせばきれいに協和音を出しますが、両方のコード
を同時にならしたとしたら不協和音になってしまうのです。
フォノグラムによって楽器をつくっていくというのは、この原理を理解したうえでつくるという、たったそれだけのことなのです。
このことに、ほとんどの楽器製作者が気が付いていないばかりか、問題にすらしていないというのは不思議なことです。
楽器はこの時、一つの統一体として働き、弦の入力音に対して、一斉に同じ反応をするというわけです。

さて、スピーカーの話に戻ります。
つまり私が言いたいことはこうです。
部品それぞれを、協和関係にある共鳴体にしておかなければ、組み上げたときに必ずひずみが生まれてしまうということです。

もちろんフォノグラム技術を適用して構成していけばクリアできる問題です。
入力に対して、共鳴体として統一体にしておかなければ、ひずみは消えることはありません。
このひずみを無限小まで消していく技術がフォノグラム技術です。

IMG_0012_20130202174909.jpg
(木の菓子箱から取ったフォノグラム、共鳴体としては使えません。)

つづく

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生き物の形は等音図形 ?  情報科学としての見方③

ここで少しまとめておきます。

AD変換などの少ない系の変換システムが少ないほうが情報の改ざんが少ない。
部品同士が、共鳴体として全体として共鳴関係にないときひずみが生じる。

ということです。

これは、フォノグラフィックな楽器がその理想形であること、また、生命体の構造がそのような原理でできているようにおもえることが理解できます。
(フォノグラフィックに作った造形物はなぜか生き物を想起させます。
そうでない楽器は、生き物というよりもフェラーリのような無機的な印象を与えます。)

R0014988_convert_20110514201336.jpg



試しに作ってみる。
私は、機械や電気についてはよくわかりません。
しかし、圧電スピーカーが手元にありますので、試しに、ヴァイオリンから、演奏するための構造をはぎ取って
スピーカーボックスにすることから、開発を開始することにしました。
ネック、弦、駒、を取り省きました。つぎに、胴体部分のくびれもなくしました。これは弓が通りやすくしておくための配慮であり
共鳴体としての本質には何の関係もありません。
また、アッパーバウツとローアーバウツの大きさの違いも、高音部と低音部の違いというだけで、なんなら、別々に作ればいいという理由から、
太鼓型、もしくは楕円型の構造になりました。

sin.jpg

表板と、裏板の振動を伝えるためのブロックはどうしても必要なため、太鼓が小さくならないために四隅の外側に角が出たようなデザインに
自然に決まりました。
F字ホールも、最大波長を確保したいため、中央には持っていけず、このようなデザインになりました。
面白いことに、フォノグラムと物理的な制約条件だけでデザインはほぼ自動的に決定されてしまいます。

sinxx.jpg


sinxx2.jpg

このとき、そのデザインは生き物のようになります。

このスピーカーは、とてつもなく原始的なシステムです。
まず、スピーカーボックスとコーン紙が一体となっています。
共鳴体としての統一性もフォノグラムの図形を整えることによって解消できます。


フォノグラフィックな設計原理というのは生命体の設計原理といっていいので、それで出来上がるデザインは
自然と生き物のようになってしまうのです。
このことを直感的に理解して、建築物に適応したのがスペインの建築家ガウディーでした。


彼の建築のモチーフは地中海の動植物だったようです。
ガウディーの建造物は、フォノグラムではないですが、限りなく近い発想であると思います。

sinxx2aasaz.jpg
(まるで生き物のようなガウディー建築)

逆に、ガウディー建築の本質を抽出したとしたら、それは、フォノグラフィック(等音図)な形態といえるかもしれません。
(サグラダファミリアは大きな楽器に見立てているという話も聞いたことがあります。)

sinxx2aas.jpg


設計原理としては、系の変換システムを極力少なくし、共鳴体として統一体にしていくというだけの話です。
動植物と同じくらいの種類のデザインの可能性があると思います。

sinxx2a.jpg

よくよく考えれば、ヴァイオリンの場合、擦弦の振動がブリッジを伝わり本体に届くわけですから、このブリッジの入力システムの代わりに
電気再生システムであっても、共鳴体として協和関係にさえあれば何の問題もないわけです。


現在のスピーカーシステムのほとんどは、忠実再生どころか、人工的なデジタル補正を加えてしまっているようです。
それがいいのか悪いのか私にはわかりませんが、少なくとも忠実再生ではなく、人工的に情報が改ざんされてしまっているのは確かです。
どんなに美しいコンピューターグラフィックスでも、自然の風景そのものにはかないません。
やはり、人間の生理感覚には不自然に映りますし、違和感を感じると思います。
この不自然に対する違和感の喪失を、私は病気と呼んでいます。
もちろん、現代医学の病気の定義とは違います。

もう少しつづく


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