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等音面 と 音図 (3) 秘密に迫る

仮説は、建築する前に設けられ、建物が出来上がると取り払われる足場である。
足場は作業する人になくてはならない。
ただ、作業する人は足場を建物だと思ってはならない。

                  ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ



今、赤枠の内部は同じ振動数分布であり、青枠の内部はそれとは異なった振動数分布
であるとします。
また、その共通部分は全く別の振動数分布を示す領域と仮定します。

*実際はもう少し複雑ですが、話を簡単にするためにとりあえずこうして話を進めます。特に本質的には間違っていません。*

ebnncfcf_20130219020116.jpg


さて、領域Aと領域Bの振動数分布を一致させたいのですが、
この複雑な振動数分布のグラフを
各振動数に付随する振幅だけを取り出して、無限集合としてみることにしてみます。

これが、和声理論に基づく身体センサーの二値化(弛緩と緊張、快と不快、陰と陽)
を考える上での鍵になります。

まず、共鳴版の一点に対応する振動数分布は以下のように表現されました。



「共鳴板のある点をXとする

その点における振動数分布(響きの量、タッピングトーン)は異なる振動数比の(無限)線形一次独立の形で表されます。
ここでは、便宜上、無限個の振動数比を用意しておきます。
すると次のようにかけます。


      f(x)=ΣAnEXP(inθ)    Σ;無限和

X:板の一点   f(x):Xにおけるタッピングトーン

結局は、各振動数の振幅の集合が、響きという量を表す。」

これは結局、無限個の振動数比に対応して、その振幅がそれぞれどのくらいあるか
ということと同じなので、

振幅だけを取り出した、An:実数の可算無限集合と同じです。

{A1,A2,A3、、、、、、、、、、、、、、}

これは、各振動数に対応する振幅の量です。
同じように、B点においても

{B1,B2,B3、、、、、、、、、、、、、、}

と用意しておきます。
これは、本質的には、上のA,B二つの点(領域)における振動数分布のグラフと
同じものを表しています。

これは、物理的な意味としてはタッピングトーンを表したものでした。
タッピングトーンというのは、叩いた時に、同時に聞こえてくる複数の音の集合でした。
我々人間は、複数の音を、単振動に分解して成分比がどれだけ含まれているかという
スペクトルアナライザーがするようなことはせずに、全体として、協和関係にあるか
不協和関係にあるか、という捉え方をします。

つまり、A点における無限集合の中で、ある振動数比の振幅のピークが最大になっている音を代表の音として捉え、その次に聞こえてくる音、またその次に聞こえてくる音
というふうに、それらを絡めて協和度が高いかどうかというふうに感じ取ります。

A点とB点では、明らかに、振動数分布が異なるわけですから、協和、不協和の感覚として人間の身体が感じ取るニュアンスが異なってくるわけです。

ピアノの古典調律法などで、転調をした時に、和音の響きのニュアンスがガラリと変わります。これと似たような感覚を利用するのですが、これには音楽的な訓練が必要となります。

各点の振動数分布をスペクトルアナライザーが識別するやり方とは全く違う方法で
生命体はその違いを識別するのです。

スペクトルアナライザーの識別法は、観念的、数学的、物理学的な識別法です。
これに対し、和声による協和、不協和関係のニュアンスでの識別法は、生き物の感覚を最大限利用したものです。

*わたしは、感受性(生命力)というものの正体を暴こうとしているのかもしれません。現代人が失いかけている大切なものです。*


ところで、同時に複数の音を鳴らして、人間が一度に聞き取れる音の数はどのくらいでしょうか?
これは人により異なります。
モーツアルトのような音楽的天才は、普通の人間よりはるかに多くの音を聞き分けていたため、他人からの曲の評価は「音が多すぎる」と言われたこともあるようです。
*「アマデウス」という映画にこの描写があります。*

つまり、タッピングトーンに含まれる複数の音をどれだけ分解できるかということと、
それが、和音の響きとしてどう捉えているかは個人により差があるということです。
これは訓練の問題でもありますが、フォノグラムが書けるかどうかはこれと似たような事情があります。

今は、理論的な理解を目指していますので、極端な理想状態で議論を展開します。
我々はモーツアルトどころか、神様の耳を持っていると仮定します。

タッピングトーンに含まれる無限個の振動数比を聞き分けることができ、かつ
代表音を選び出し、その複合の結果である和音の響きのニュアンスを識別できるものとします。実際には多くて三和音ぐらいですが、理論上、無限個にしておいたほうが
都合がいいですし、グラフとの対応もつきやすいです。

dghj.jpg

例えば、ある点における振動数分布のグラフが上のような分布状態だとします。
オレンジの棒が代表音として聞こえてくるだろう4つの音です。
もちろん実際にはもっとたくさんありますし、理論上は加算無限この集合として

{A1,A2,A3、、、、、、、、、、、、、、}

としています。

この四つの代表音が仮にド、ミ、ソ、ド(オクターブ上)であったとします。
これが同時になるとCメジャーコードと呼ばれる協和音になります。

またこれが仮に、ド、ド#、レ、ファであったとします。
これが同時になると濁った不協和な響きになってしまいます。

もし仮に、A点における分布状態がCメジャーコードの和音関係として捉えられ、
B点の分布状態が、濁った別の不協和な関係であったとしたら、全体の響きはどうなってしまうでしょうか?

もちろん濁った汚い音になってしまうはずです。
実は、A点がある協和関係にあって、B点が別の協和関係にあったとしても、全体としては濁った響きになってしまうことは、音楽をしている人ならば常識的に理解しているはずです。CメジャーコードとG#マイナーコードを同時に鳴らせばわかります。

つまり、フォノグラム法は

複雑な振動数分布を、協和感覚、不協和感覚として情報を読み直し、その読み直した
和声的情報をもとに、異なる振動数分布状態を識別し、また一致させることができるのです。


じつは、この、協和、不協和という音楽的感覚による識別法をうまいやり方で
厳密な理論に置き換えることを思いつきました。
まだうまくできるかわかりませんが、次回やってみたいと思います。

それは、無限集合として表したタッピングトーンは、削ることにより、振動数分布を連続的に変動させることができ、その時、無限集合の各要素(各振動数に対応する振幅)も連続的に移行し、協和のピークと不協和のピークを交互に繰り返しながら
ある分布状態に収束していくということです。

まずは、協和、不協和のピークの存在を証明し、それが交互に振動する波であることを確かめ、ある分布に収束することを証明します。
というか、これを証明するための数学的道具立てを整備します。

この道筋が唯一、協和、不協和という感覚を持ち出さずに
同値な議論が展開できるものであると考えています。



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等音面 と 音図 (4) 秘密に迫る

「誰もが見えないと決めているものを見るんだ。
 既成概念やくだらん見栄を捨てて、世界を見直せば毎日が発見だ!」

                  映画;パッチアダムスより

fig22_20130220134140.jpg

フォノグラム図形が一体何を表しているものなのか?
どういう方法で描きとっているのかということを数回に分けて説明しています。

この図形に現れるラインの一本一本は同じ振動数分布を表す点を結んだものだ
ということがもうお解りだと思います。
一応、下記に図示しておきます。

base2
図式1-2

そして、体感では、この振動数分布を、協和、不協和という二値のニュアンスとして
捉え、同じ協和関係と感じる場所を繋いでいくとフォノグラムが描き取れることを
前回説明しました。
圧電スピーカー実験で明らかにしたように、こうした身体技法を利用して
音を揃えていった等音面は、物理的にも、同一の振動数分布を共有していることが示されました。

つまり、音列を増やしながら、共鳴版の各点の振動数分布を同じにしていく操作と
フォノグラム法は双対的な裏表の関係になっていることがわかります。

フォノグラムの図形を対称にしてくことと、音列を増やしながら、共鳴版の各点の振動数分布を同じにしていく操作は同値だということです。
このことも証明しなければなりません。
実験を重ねていけばいずれはっきりすることでしょうが、正しい理論構成は余計な無駄を省いてくれるはずです。

上の図式1-2は、赤領域と青領域が部分等音面になっています。
この領域内では各点に対応する振動数分布は同じです。
もちろんそれをつないでいったラインも同一の振動数分布を表しています。

音が同じところをつなぐという厳密な意味はこういう意味だったのです。

次に、渦巻き図形に対応するものは何かということが問題になります。
渦巻きはいつも秩序と秩序の境界に現れます。

上の図では赤領域と青領域の共通部分にあたります。
それぞれの領域は別の振動数分布領域ですから、当然、身体が感じ取る協和感覚も異なります。もしも、領域同士がお互いに協和関係になければ、身体に強い緊張を起こします。渦巻きは、異なる振動数分布領域が衝突し、不協和関係になってしまうところになります。

共和関係が一定 =身体の緊張度が一定

身体の緊張度が常に一定になるライン= 振動数分布が同一のライン
=共和関係が一定のライン

ということです。

base21


フォノグラムラインは曲がり、回転しながらある点で静止して動けなくなってしまいます。これを黒点(ブラックホール)と呼んでいます。
また、これは秩序と秩序の境界上にできることから、音列の生成点としてみることもできます。つまり、

たくさんあるフォノグラムの渦をひとつにまとめ上げることと
音列を無限に増やしていくことと
等音面が出来上がること

はすべて同値な言明になるということです。

jiku.jpg


これらの言明も実験と理論で証明すべきことです.
すぐにはっきりすることだと思います。

これらが完成したとき、今まで結びつくことなど考えもしなかった概念同士が
結びつくことでしょう!

上の図式1-2は、ある数学的対象と形式的に一致してしまいます。
それは、解析関数論における解析接続です。
解析関数、関数要素、解析形体、解析接続、リーマン面などの概念と
フォノグラム、等音面の概念の関係は別の機会に議論する予定です。


本題に入る前に終わってしまいました。
本題は、協和不協和という感覚を持ち出さずに、フォノグラム法を正当化させる方法です。実験事実が明らかなので、フォノグラムを正当化させる必要はないのですが
より事情をはっきりさせるために必要な議論だと思っています。

つづく


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等音面 と 音図 (5) 展望

 青春の夢に忠実であれ。

       by シラー

fono_20130220181300.jpg



共鳴版における各点のタッピングトーンの違いとは、その点に付随する振動数分布であり、WEB SPECTRAM のグラフが対応します。

ebnncfcf.jpg

koujimmm.jpg



またこれは、数学的には以下のようにかけます。


      f(x)=ΣAnEXP(inθ)    Σ;無限和

X:板の一点   f(x):Xにおけるタッピングトーン

さらに、振幅ANの加算無限個の数列にこれを対応させます。
これを音列集合と呼ぶことにします。

{A1,A2,A3、、、、、、、、、、、、、、}

簡単に言うと、タッピングトーンに含まれる楽音がどういうふうに配合されているかという情報が入っているということです。

この音列集合の要素の中で最大のものが代表に聞こえる音ということになります。
2番目、3番目というふうに、振幅の幅に対応して、どの振動数が多く出ているか
順序付けすることができます。

過去記事において、削って振動数分布を変化させる操作に連続性を保証しておきました。
これは、削っていけば、連続的に振幅が変化し、少しずつ音列集合の順序がわかっていくことを意味しています。
また、音列集合の順序が変化するということは、少しずつ協和関係が変化していくことを意味しています。

つまり、十分連続的に少しずつ形体を削っていけば、共鳴版上の振動数分布も少しずつ連続的に移行し、さらに、協和、不協和関係も連続的に少しずつ移行するということが言えます。

ここで、連続関数が持つ特性を生かした最大値の定理というものに着目してみます。
削って音を変えるという操作によって、
音列集合の各要素が連続的に移行するわけですが、その時、協和度のピークと不協和度のピークというものがあるはずです。

身体は、共和関係から、不協和関係に移行するとき、緊張ととらえます。
実際緊張します。
また、不協和関係から協和関係に移行するとき、弛緩ととらえます。
実際に弛緩します。

身体は、協和関係にある音列の微妙なニュアンスの違いをさらに、弛緩と緊張という二値にまで情報を簡略化してしまいます。

これは、経験的事実ですが、音列集合は、共和と不協和を繰り返しながら、音列を増やしていくようです。

G-F-1 arabori
(音列、自然倍音列がまだあまり出ていないとき、ノミで削るストロークが大きくなる。協和度のピーク、不協和度のピークの振動の幅が広いから起きる現象である。)


音列が増えるというのは自然倍音列が増えていくことに当たるわけですが、
音列がひとつ増えるということは、それまで共和関係にあった音列集合に対して
素な音列が入ってくることを意味しますから、少しずつ不協和成分が増えていき、
その音列の振幅が十分な量に達した時、この音列集合は全く別の協和関係になります。
そして更に、その音列集合に対して互いに素な新しい音列が加わって、
共和度のピークと不協和度のピークを振動しながら音列を増やしていくのです。

G-F-1 kezurikasu keiretu
(自然倍音列が出てくるに従ってピーク振動の幅が狭くなる。これにより、削る幅も徐々に小さくなってくる。最後には、何千番というサンドペーパーで一こすりするだけで協和関係は不協和関係に反転する。この時はもはやどちらがどちらとも言えない。ホワイトノイズ!)

この時、身体は弛緩と緊張を繰り返しながら、徐々にその振動の幅が詰まってくるのを感じます。これは、音列が増えることにより、すぐに協和にも不協和にも移行できるようになるからです。その音列の増加列の極限は無限個の振動数比の集合であり、それに対応するすべての振幅がフラットな状態であると予想されます。
これがホワイトノイズの状態ではないかと考えています。
もしくはホワイトノイズ型の振動数分布状態。

G-F-2_20130220181639.jpg
(ピークの振動が収束すると等音面が姿を現す。これが「音が造る形」の意味です。)


これは、経験事実なのですが、実験で確かめながら明らかにしなければなりません。
しかし、論理的に考えても、協和、不協和という感覚的な量を持ち出すことなく
音列集合における、協和度のピークや不協和度のピークの存在は関数の連続性から導くことができそうですし、それが振動しながら、ある音列集合に収束することは理論的に証明できそうな気がします。

互いに素な振動数比の無限集合は素数の集合と同じです。

素数の概念とホワイトノイズの概念が結びついてしまうように思えます。
そしてこのことは、削って音列を増やしていくという操作の極限として表されます。
とてつもなく興味深い数学的対象であることがわかります。

音を聞いて削るという操作を連續群とみなしたり、各点の振動数分布が解析関数論の関数要素に対応していたり、音を合わせていく操作がちょうど解析接続に符合していたり、
とにかくフォノグラムという現象を捉えようとするとき、驚くような数学的構造が見えてくるのです。

私は、フォノグラムが数学の故郷、そして音楽の故郷ではないかと真剣に考えています。



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